石種別の経年劣化の傾向

石の種類

国産 

墓石材の特徴

日本の墓石の大きな特徴は値段が高いことです。しかし、昔から使われている石が多いため、墓石としての実績があることが強みといえます。
硬質や吸水性も優れた石が多く、墓石を作るには最適です。
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万成石 (岡山県)      大島石(愛媛県)    真壁小目(茨城県)      稲田石(茨城県)      庵治石(香川県)

中国産

墓石材の特徴

中国の墓石材の特徴は値段が安いことです。墓石を作るにあたってネックになってくるのが建てる側の予算でしょう。日本産を選べば品質は安心できますが、予算オーバーしてしまうケースもあります。
あまり予算をかけないで墓石を建てようとすると選びやすいのが中国産です。現代の墓石は中国の墓石材が使用されることが多いといえます。
スタンダードなG623などは、費用は安く済みますが吸水性の高さが難点です。
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新中目(688)       美春石(623)       ローズピンク

インド産

墓石材の特徴

中国産に追随して使用されているのがインド産の墓石材です。日本では採掘される黒御影石が少ないため、高品質の黒御影石を選びたい人には人気が高いことがインド産の特徴といえます。
ツヤや見た目も高級感があふれるものが多く、価格も高くなりがちです。
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インドグリーン       BANグレー         インペリアルレッド    アーバングレー

アフリカ産
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ラステンバーグ       インパラブルー

比較的使われている特徴のある石の種類

名称 産地 石目 硬質 吸水 特徴
青葉石
(あおばいし)
日本・福島県産 青系 中目 高い 低い 青の光沢が栄える
花塚石
(はなづかいし)
日本・福島県産 白系 大目 高い 低い 目が粗いのが特徴
稲田石
(いなだいし)
日本・茨城県産 白系 大目 高い 低い きれいで艶が出るのが特徴
真壁石
(まかべいし)
日本・茨城県産 白系 中目・小目 高い 低い 歴史が古く日本での使用実績は高い
庵治石
(あじいし)
日本・香川県産 青系 小目 高い 低い 石目に黒雲母が混ざっており人気
天山石
(てんざんいし)
日本・佐賀県産 白系 中目 高い 低い 九州の銘石。西日本で人気
大島石
(おおしまいし)
日本・愛媛県産 青系 中目 高め 低め 同じ石の中で石質が異なるが、青もがかった石目がきれい
浮金石
(うきがねいし)
日本・福島県産 黒系 中目 高い 低い 日本で数少ない黒御影石。価格は高め
G623 中国・福建省産 白系 大目 高め やや高い 中国の石材で価格がリーズナブル
G614 中国・福建省産 白系 小目 高め やや高い 小目の白御影石
G603 中国 白系 中目 高め やや高い G623同様中国産の代表的な白御影石
G663 中国 ピンク系 中目 高め やや高い やわらかい印象で女性にも人気
G688 中国 青系 中目 高い 低い 外柵として使われることが多い
G616 中国・福建省産 青系 小目 高い 低め 薄緑色の石材。落ち着いた印象
AG-98 中国・福建省産 白系 中目 高め やや高い 日本の大島石と似ている
三峡紅石
(さんきょうこうせき)
中国 赤系 中目 高め 普通 やわらかい赤で石目もそろっていてきれい
G654平和
(へいわ)
中国 グレー系 中目 高い やや高い グレーの御影石。目立ちにくいのが特徴
河北山崎
(かほくやまざき)
中国・河北省産 グレー系 小目 高い 普通 小目で濃いグレーが上品な印象
山西黒
(さんせいくろ)
中国・山西省産 黒系 小目 高い 低い 経年劣化が確認されている黒御影石
BVR インド産 黒系 小目 高い 低め 黒御影石の中では安価で使いやすい石
PAN インド産 黒系 小目 高い 低い クンナムより安価
LK-01 インド産 黒系 極小目 高い 低め きめ細かい石目とツヤが特徴。価格は高めの高級石材
クンナム インド産 黒系 小目 高い 低い インド産の中でも高品質な黒御影石
銀河
(ぎんが)
インド産 グレー系 小目 高め 低い 銀河を連想させるような印象
フィンランドグリーン フィンランド産 青系 中目 高め 低い 柔らかなグリーン
エメラルドパール フィンランド産 青系 中目 低め 低め 宝石のような輝きが特徴

石材劣化分類

劣化度 1 色やけ・変色・色落ち・艶とび・水じみ・濡れ
劣化度 2 光沢度低下・吸着物・エフロ・変色・鉄気
劣化度 3 ざらつき・キズ・ピンホール・ポップアウト・穴あき
劣化度 4 剥離
劣化度 5 割れ

劣化なしと劣化度1を「健全」 とし、
この全体に対する割合を「健全度」と定義した。

中国産

G603 8年まで65% 18~20年37%
G614 3~5年60% 6~8年50% 9~11年40% 12~14年30%
G623 3~5年65% 18年以上30%

中国産は日本産と比較して、
早期に健全率が悪くなる傾向にあり、
また劣化も剥離等の深刻な被害が出やすい。

墓石の石材の種類 約300種類以上
日本の墓石材の特徴 硬度が高く、吸水率が低いが価格が高め。実績は高く風土に合っている
中国の墓石材の特徴 価格が安い傾向だが、吸水率がやや高め。産出地によって品質に差がある
インドの墓石材の特徴 黒御影石や青系の御影石が多い。硬度・吸水率が優秀な石もあり、価格は中国産より高め
石を判断するときの3つのポイント 吸水率・圧縮強度・見かけ比重
墓石の価格を決める3つの要素 石の種類・石の使用量・墓石の加工

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墓石の劣化の原因

1.お墓の環境

まず、お墓の環境が墓石の劣化に大きく影響してきます。

墓石に良い環境は日当たりが良く風通しがいい場所です。
墓石の劣化には水分が大きく関係しているので、水はけのよい事が大切です。

また、潮風は御影石の劣化をはやめる原因になります。
海の見える霊園は人気ですが、この点は気を付けた方がよいでしょう。

潮風よりも劣化をはやめる環境は土に接した立地です。
土は有機物などいろいろなものを含んでおり、これが雨の跳ね返りで石に付着すると劣化をはやめます。
特に畑が近いと農薬や除草剤など様々な薬剤が飛散し、これも劣化をはやめる原因になっています。

2.墓石に使われる石の性質

次に、墓石に使われる石の性質も墓石の劣化を左右します。

墓石には8割以上が御影石が選ばれます。
御影石といっても種類が様々あり、石の性質も違いいます。

劣化しにくい石材は石目が細かく硬度があり、吸水率が低いものです。
吸水率は磨いた石材にに水をかけて色が変わるかどうかで見ることもできます。
しかし水を吸わない石はないので、吸水率が低くても水が溜まりやすい環境や構造だと石材に水がしみ込み劣化の原因になります。

また、含まれる鉱物の種類によっても劣化に違いがでます。
黒雲母はサビやポップアウトと呼ばれる欠けが生じやすい個所です。

3.墓石の構造

最後に、墓石の構造も水切れのよさに大きく関わってきます。
近年では土台工事の際に、水抜き穴をあけたり耐震施工をしたりと石材店によって工夫をこらしているところもあるので、お墓を建てる際には施工や構造もしっかり確認しましょう。

一番水が溜まりやすいのがカロート(納骨堂)です。
カロートが地下にあるとどうしても水が溜まります。
地上にある場合でも、水はけが悪いと湿気や水が溜まりやすい箇所になります。

次に水が溜まるのは台座の部分です。
四角いままだと水が溜まりやすいので、水垂加工や亀腹加工といった傾斜や曲面をつけて水はけをよくします。